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2020.04.15更新

誰にとっても経験したことのない日々が続いています。

医療崩壊と経済危機は、その対応をどちらかに偏りすぎても、バランスを崩せば修復不能になりうる状態だけに、一人ひとりが、どうするべきかベターな選択を考えながら行動しなければならないと思います(それでも回避できないこともあるかもしれませんが)。

医療崩壊といっても、いくつかの局面に考えられると思われます。

 

1. 新型コロナウイルス指定専門病院の崩壊

重症、軽症それぞれの新型コロナウイルス感染患者が専門医療機関に押し寄せ、十分な治療が行えなくなる状態。イタリアやスペイン、フランス、アメリカのNYなど、重症患者が多く、対応できるだけのマンパワーや人工呼吸器などの機器の不足により、死亡数が増加する、または命の選択を医療現場で行うような危機状態です。

 

2. 新型コロナウイルス感染以外の疾病を診ることができなくなる崩壊

特に最近取り沙汰されている、病院での院内クラスター感染や、感染拡散を危惧し通常の医療を提供できない状況に陥り、もともとの疾病により生命危機的な患者が増加する状態。がんや心疾患の治療をタイムリーに行えない場合や検査・治療の遅れ、また、急性疾患や交通事故などの外傷でも救急外来が機能しなくなれば、患者を診れないという施設が増えることになります。これは、大学病院などの大きな病院だけでなく当クリニックのような診療所レベルまで起こり得ます。

 

3. 病院、診療所の経営破綻による崩壊

新型コロナウイルス感染リスクを考えると、どうしても病院や診療所での受診を避けたいという方が非常に増えます。そうなると、当然、医療機関の収益は大幅に減ります。これは会社や他の事業者と全く変わません。しかしながら、我々医療従事者は、リスクをできる限り回避しながらも、正しいプロトコールもないまま工夫をしながら診療を続けています。院内クラスターということで、外来の一時的な閉鎖や通常医療業務を中断した場合、経営的にはかなりの負担を強いられます。治療に専念する中での葛藤と、治療を十分に提供していかなければならない運営(経営)の葛藤。経営破綻すれば、医療を提供できなくなるという危機の問題は根深く、国や行政が対応を間違うと、後々まで尾を引く問題となる可能性があると思います。

 

当院のような診療所は、指定専門医療機関ではないため、そうした医療機関で医療に従事している方々の援護射撃をどのようにできるか考え、我々が対応できる情報提供や対症療法などの医療提供を患者さんにすることが重要なのではと考えています。電話やLINEを応用した診療機会を増やすことで、患者さんの「いつももらっている薬はどうしようか」や「かぜ症状で病院に行きたいがどうしたらよいのだろ」などの不安に対して対応できるように心がけています。もちろん不慣れで手際よくできない部分もあり、あれこれ反省点も残しながら、次に活かせるように努めております。

 

また、がん治療などでコロナウイルス感染の心配もあり、なかなか積極的な治療に進めない場合、免疫力を高め予防や次なる治療までの待機をしたいところかと思います。足浴や半身浴、熱くないお湯に少し長めに浸かるなど、身近に汗をかく方法もあり、代謝や循環の改善につながり、免疫力アップにもつながります。当院では、ニンニク注射などのビタミン注射やサプリメントのセラクルミンは健康増進と免疫力アップ、輸入の医薬品ですがアセトケアなどはがん治療として、それぞれ扱いがあるのでご相談ください。

投稿者: 六本木HATクリニック 院長 福田智信