生活習慣病

長年にわたる悪い生活習慣によって引き起こされる病気

生活習慣病とは、生活習慣が原因で発症する病気です。自覚症状がほとんどないため、気づかないうちに進行していることが多く、症状が出る頃には脳や心臓、血管などにダメージが起こっている場合がほとんどです。命にかかわる病気を引き起こすこともありますので、健康診断などで数値に異常があった場合には、早めにご相談ください。

こんな症状ありませんか?

血圧が高い
立ちくらみがする
コレステロール値や中性脂肪値が高い
喉が乾く
血糖値が高い
動悸がする
体がだるい
肥満傾向

考えられる病名

高血圧
脂質異常症(高脂血症)
糖尿病
高尿酸血症(痛風)

など

高血圧

血圧の正常値は、最高血圧が130mmHg未満、最低血圧が85mmHg未満です。
どちらか一つでも数値を超えると高血圧症の疑いがあります。

血圧が高い状態が続くと、血管の壁が圧力によってダメージを受けやすくなります。
その結果、血管の壁が厚く硬くなる動脈硬化の原因になったり、狭心症や心筋梗塞、脳卒中、腎臓病を引き起こしたりする可能性が高くなります。
高血圧の原因は特定されていませんが、遺伝的要因に加え、塩分の高い食事や喫煙、飲酒、また、運動不足やストレスなどの環境的要因が重なって引き起こされると考えられています。

糖尿病

空腹時血糖値が126mg/dl以上、もしくは食後血糖値が200mg/dl以上の場合、糖尿病の疑いがあります。

血液中のブドウ糖は、インスリンの働きによって細胞に取り込まれ、エネルギーになったり、脂肪やグリコーゲンに変化し肝臓や筋肉に蓄えられます。
糖尿病とは、何らかの理由でブドウ糖が細胞にうまく取り込めなくなり、血液中にとどまった状態をいいます。
血液中のブドウ糖が長時間過剰になると、全身の血管に色々な問題がおこり、心筋梗塞、脳梗塞、失明や、腎臓の機能が低下して人工透析が必要になるなど、深刻な事態に陥ることもあります。
糖尿病は自覚症状がないために、知らないうちに進行し、合併症が現れてから気づく場合も多々ありますので、健診は特に重要となります。

脂質異常症(高脂血症)

LDLコレステロール140mg/dl以上、HDLコレステロール40mg/dl未満、中性脂肪150mg/dl以上のうち、どれか1つでも当てはまれば脂質異常症の可能性があります。

脂質異常症は、血液中のコレステロールや中性脂肪が多すぎたり、少なすぎたりする場合に起こる病気です。
以前は高脂血症と呼ばれ、脂質が高い場合のみ問題になっていましたが、脂質が低すぎる場合も注意が必要になり、脂質異常症と呼ばれるようになりました。
放置すると、動脈硬化が進行し、心筋梗塞や脳卒中などを引き起こす原因になります。
食生活や、喫煙、飲酒、運動不足などの環境的要因が重なって引き起こされると考えられていますので、生活習慣の改善が必要となります。

高尿酸血症(痛風)

血液中の尿酸が多くなりすぎている状態を指し、尿酸が過多になると、針状の尿酸塩の結晶が体のあちこちに溜まって、痛み(痛風)を引き起こします。
体の細胞は新陳代謝によって新しく作り変えられ、細胞の核から尿酸の元となるプリン体という物質が生成されます。尿酸値上昇の原因となるプリン体を多く含む飲食物を好む人は、尿酸値が高くなり高尿酸血症になる可能性が高くなります。
レバー類、干し椎茸、魚介類、えび、かつお、イワシや、ビールなどのアルコール類はプリン体が多く含まれているので、食べる量に気をつける必要があります。

メタボリックシンドローム

内臓脂肪型肥満(へその高さの腹囲が男性85cm以上、女性90cm以上)があり、高血圧、高血糖、脂質異常症のうちの2つ以上が重なっている状態をメタボリックシンドロームと言います。

肥満、特に内臓まわりの脂肪が多い方や、おなかがぽっこり出ている内臓脂肪型肥満の方は、血圧、血糖、脂質値などの異常をきたしやすく、高血圧、糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病になりやすいことがわかっています。
メタボリックシンドロームの患者さんは、血圧、血糖、脂質などの値がそれほど異常でなくても、それらが重なることで動脈硬化が進展しやすくなり、心筋梗塞や脳血管障害などの心血管事故の危険率を高くすることが知られています。

先生からのメッセージ

運動不足の方や、塩分の多い濃い味の食事が好きな方、タバコやお酒の量が多い方などは生活習慣病にかかる可能性があります。ただ、生活習慣を改善するだけでよくなる人がたくさんいるのも事実です。
生活習慣病は自覚症状に乏しい病気でもあるので、数値に異常があった場合には早めにご相談ください。一緒に健康な体を取り戻しましょう。