病気の発見や病気になりにくい体にしていく医療
当院では病気の初期症状を総合的に診るプライマリ・ケアに加え、予防医療も推進しています。
予防医療とは、そもそも病気にならない体作りを目指す医療です。人間ドックなどの健診による早期発見と早期治療という分野のものとは異なります。
問診票の集計結果等から、生活習慣、生活環境と自覚症状などの主観的要素に加え、特殊な検査による客観的指標を掛け合わせ、潜在的な未病リスクが無いかを予測します。
検査などの客観的な指標を基に病気の根本の原因を考察し,薬剤だけに頼る医療でなく、リスクやその後の経過を予測しながら指導や治療を行います。
現在は異常がない場合でも、潜在的なリスクの可能性を計ることで、リスクを減らし健康的な体を獲得・維持することを目指すのが予防医療です。
ストレスドックとは
厚生労働省の進めるストレスチェックとストレスドックは異なるものです。
データを基に、現状のストレスの把握と体内のコンディションを採血や機器を用いて、客観的な数値で評価し、今後の病気に対するリスクを予測するものです。
問診票による主観的要素と、データによる客観的要素を基に判断をします。
ストレスドックはどんな人に有効なのか
人間ドック、会社健診などの結果がある方は、その結果と併せてストレスドックを受けることで、その時点での異常値や結果の改善や現在の治療をより効率化することができる場合があります。まずはお気軽にご相談ください。
予防接種
予防接種は、細菌やウイルスなどの病原体からつくったワクチンを接種することで、特定の病気にかかりにくくします。また、その病気に罹ったとしても軽く済むようになります。
当院では、各種ワクチンの取り扱いを行っているのでご希望の方はお気軽にお声かけください。
インフルエンザ予防
インフルエンザを予防する有効な手段は、流行前(事前)のワクチン接種です。毎年異なるタイプが流行するので、予防接種も毎年行いましょう。
インフルエンザワクチンの接種時期
10月下旬〜12月接種してから効果が出るまで個人差はありますが、に約2週間、効果は約5ヶ月持続します。
インフルエンザは、インフルエンザウイルスへの感染による疾患で、発症すると38度以上の発熱、頭痛、関節痛、筋肉痛などの全身症状が現れると同時に、喉の痛み、鼻汁、せきなどの症状も見られます。お子様では稀に急性脳症を、ご高齢者や免疫力の低下している方では肺炎などの合併症を伴うなど、重症化することがあるので注意が必要です。
肺炎予防
肺炎を予防するためにできることの一つに、肺炎球菌ワクチンの接種があります。成人の肺炎の20%〜40%は肺炎球菌が原因と言われています。肺炎球菌ワクチンは、肺炎球菌による肺炎などの感染症を予防し、重症化を防ぐことができます。
※当院では自治体からの助成の対象とならないので、ご注意ください。
肺炎球菌ワクチンの接種時期
1年を通していつでも可能です。
ただし、5年以内に再接種を行うと注射部位の痛みが強く出るケースがあります。
※再接種を希望される方は5年以上の間隔を空けてください。
肺炎とは、主に細菌やウイルスなどの病原微生物が肺に感染して炎症を起こす疾患のことです。
呼吸器の防御機能が病原微生物を排除できなかった場合や、病気やストレスなどのために免疫力が落ちている時などに感染しやすくなります。つまり感染力が防御力を上回った場合に、病原微生物が上気道から下気道、そして肺にまで入り込んで感染し、肺炎になってしまいます。
肺炎は、 がん・心臓病に続いて、日本人の死亡原因の第3位を占めています(厚生労働省発表の平成23年調査結果)。
高齢者や慢性の病気を持っている方などは、肺炎にかかりやすく、しかも治りにくい傾向がありますので、要注意です。
肺炎予防の強化のため、肺炎球菌ワクチンだけでなくインフルエンザワクチンの併用接種が推奨されています。
肺炎球菌ワクチンの接種が奨められる人
- 65歳以上の方(肺炎で亡くなる方の95%以上が65歳以上というデータもあります)
- 老人ホームや長期療養施設などに居住されている方
- 慢性の持病(COPDなどの呼吸器疾患、糖尿病、慢性心不全、肝炎や肝硬変などの慢性肝疾患)をお持ちの方 など
※平成26年10月1日から、高齢者を対象とした肺炎球菌ワクチンが定期接種になりました。定期接種の対象となる方は生年月日により毎年異なるため、詳細についてはお住まいの市区町村にお問い合わせください。
予防接種を受けられない・注意が必要な方
下記の症状がある方は必ず事前にご相談ください。
- 熱(37.5℃以上)のある方
- 重い急性疾患を起こしている方
- 心臓病、腎臓病、肝臓病、血液疾患などで治療を受けている方
- ワクチンに含まれる成分(卵など)に対するアレルギーのある方
- 予防接種後2日以内に発熱や発疹、蕁麻疹など、アレルギー症状が出たことのある方
- これまでに痙攣を起こしたことがある方
- 過去に免疫不全の診断がなされている方、また先天性免疫不全の近親者がいる方 など