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2021.06.14更新

緊急事態宣言と感染者数、ワクチン接種の状況、そしてオリンピック・パラリンピックの開催など、いろいろなことが絡み合っており、今後どのようになっていくのだろうと思う毎日です。

カギとなるのが、ワクチン接種と効果になると思います。効果を予測するうえで一つの指標となるだろうと考えるのが抗体価というものです。特に、このワクチン接種のターゲットになるスパイク蛋白に対する抗体がどれほど備わるかが重要と思われます。先日千葉大学が発表した医療従事者のワクチン2回接種後の抗体価は、Elecsys® Anti-SARS-CoV-2S (Roche Diagnositics, Rotkreuz, Switzerland)により定量測定したもので、当院で行う抗体検査も同様の方法での検出となり、非常によい指標になると思いました。ここでの報告では、中央値が2060.0 U/mLということでしたが、当院で新型コロナウイルス感染後の抗体価の高い方でも約1000 U/mLということですので、ワクチン接種による抗体価がいかに高いかを示す結果でもありました。どれぐらいの抗体価であれば安心なのか、変異株にはどれぐらい有効なのか、抗体価はどれぐらいもつものなのかなど、今後の研究結果を待つところもありますが、ワクチン接種が始まった現状では、こうした論文は、よい目安になるのは間違いありません。

感染後の患者さんのみならず、ワクチン接種後の抗体価検査をお勧めいたします。喫煙者や高血圧の方、高齢者、ステロイドを含む免疫抑制剤を使用している方などは抗体価が低めという報告もあります。

 

抗体価のチェックのタイミングは2回接種後2週以降、4週ぐらいが目安かと思います。

ワクチン接種をされた方は、そこで安心することなく、その後の免疫力を維持することも重要だと思います。

投稿者: 六本木HATクリニック 院長 福田智信