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2018.08.26更新

従来は、がん治療の代替補完的な役割としての温熱療法が主流でしたが、健常人にも広く活用が期待され、特に最近では、妊活や不妊治療のプレコンセプションに対する治療に役立てられると考えます。

コンセプション(Conception)は受胎、つまりおなかの中に新しい命をさずかることをいいます。

最近では、将来の妊娠を考えながら女性やカップルが自分たちの生活や健康に向き合うこと、「プレコンセプションケア(Preconception care)」の重要性が問われています。

プレコンセプションケアの女性への役割の一つとして、循環・代謝の改善があります。

以前に比べて、女性の冷えが増加したり、基礎体温が35度台と体温が低い女性も増加しています。体の冷えは代謝や循環の低下、ホルモン周期に影響を及ぼし、体調不良を自覚する女性は多く、様々な健康障害を招きます。また、循環・代謝不良は妊孕性にも影響を与えることが示唆されています。不妊症の原因のひとつである「黄体機能不全」は、循環・代謝の改善で子宮内膜を増殖させることで、問題の解決になることが期待されます。

さらに、労働省の統計では、出生時体重が年々低下しており、循環不良による子宮への血流不足から、胎内での発育が不十分となることが考えられます。低出生体重児で生まれた子供は、若年性の代謝異常や心血管イベントのリスク増加とも関連があると言われています。このことからも、代謝・循環を良好に保つ事は重要です。

当院で行う温水を用いた全身温熱療法(以下HAT)は、局所の温熱療法に比べ、より効率よく劇的に血液循環量を増加させ、代謝改善が見込めます。そのため、冷え性に悩む女性だけでなく、これから妊娠や出産を考える女性にも、「妊娠できる体つくり(妊孕性)」に役立てることが期待されます。

また、男性に対しても重要な役割を果たすものと考えられます。体力増進を目的に、HATを繰り返すことで精子の数を増やし、精子の運動率を上げることも妊娠には不可欠となります。

プレコンセプションケアとして、HATを併用し短期間で体質改善を行い、栄養管理や運動など日々の生活習慣の改善を図ることが、女性にとっても男性にとっても重要と考えられます。

妊活や不妊治療のプレコンセプションケアだけにとどまらず、多くの女性の抱える血行障害や代謝低下、ホルモンバランスの乱れ、自律神経失調症など、更年期障害を含めた症状に対する改善が期待できますが、これは今後ご紹介していきたいと思います。

より多くの女性の健康支援のためにHATを役立てたいと考え、治療費の改定を行いました。療法に対する療法説明(無料)も適宜行いますので、気軽にご相談ください。

投稿者: 六本木HATクリニック 院長 福田智信